こんにちは、シャッター修理ガイドの相川です。
朝、リモコンのボタンを押したのにリクシルの電動シャッターがうんともすんとも言わない。途中まで下りたところで止まって、窓の半分がふさがったまま。
そんな連絡を、私はこの30年近く数えきれないほど受けてきました。いまも一人親方として、メーカーのシャッター修理の現場に出ています。
で、駆けつけてみたらリモコンの電池切れだった、停電のあとに電動へ戻す操作が抜けていただけだった、というケースは意外と多いんですよ。
その一方で、動かないシャッターを力まかせに操作し続けて部品を傷め、修理代がふくらんでしまったお宅も見てきました。
この記事では、あなたが自分で安全に確かめられる範囲と、そこから先は職人に任せたほうがいい範囲の境目を、現場の目線でお話しします。
どこに修理を頼めばいいのか迷っている方にも、判断の材料になるはずです。
- リクシル電動シャッターが動かない主な原因
- 修理を頼む前に自分でできる確認と操作
- すぐに使用をやめるべき危険なサイン
- メーカー窓口と専門業者の選び方と費用の目安
動かない原因と、シャッター修理を頼む前の確認
リクシルの電動シャッターが止まる原因は、じつは「壊れた」ものばかりではありません。電池、設定、安全装置のはたらきなど、ちょっとした確認で元に戻るものもけっこうあります。
ここでは、あなたが安全に確かめられる順番で原因を見ていき、最後に「これが出たら触らないで」という危険なサインをお伝えします。
リモコンの電池切れと操作方法を確かめる
最初に疑ってほしいのは、やっぱりリモコンです。ボタンを押してもランプが点かない、シャッターのすぐそばまで近づくと反応する。
こんな症状なら、電池の消耗がいちばん怪しいかなと思います。
電池を新しくしても動かないときは、壁の操作スイッチや、別のリモコンで動くかどうかを試してみてください。
スイッチなら動くのにリモコンだけ反応しないなら、リモコン側の不具合や登録の外れ。どちらでも動かないなら、シャッター本体や電源まわりに原因がある、と切り分けられます。
機種によっては、いたずら防止のロック機能がついているものもあります。家族の誰かが知らないうちにロックをかけていた、なんて話も現場ではたまに聞きますね。
また、LIXILの窓シャッター(SRS仕様など)では、スイッチのランプが赤く点滅して知らせてくれるタイプもあり、点滅のしかたで対処が変わります。
取扱説明書が見当たらないときは、シャッター室内側の最下部に貼られたラベルで商品名を確認しましょう。
2019年4月以降の「電動」「スマート電動」と、それ以前の「アリーズ」「イタリヤ」「クワトロ」とでは、操作や設定の手順が違います。ここが分かるだけで、調べものがぐっと楽になりますよ。
停電のあとは電動復帰の操作を確認
停電や台風のあとに「急に動かなくなった」という相談もよくあります。まずはブレーカーが落ちていないか見てください。それで問題なければ、次に確認したいのが停電時開閉機構です。
リクシルの窓用電動シャッターには、停電中でも手で開け閉めできるよう、手動に切り替える仕組みがついています。
ところが、手動に切り替えたまま電動へ戻していないと、電気が復旧してもモーターの力が伝わりません。つまり、壊れているように見えて、実は切り替えが戻っていないだけ、ということ。
電動に戻すときの目安
操作ハンドルを真下へゆっくり、およそ20mmほど引いて電動に戻します。引く力は、2リットルのペットボトル2~5本分くらいの重さが目安です。
なお、2001年以前のタイプは仕組みが異なるものがあるため、手順が分からないときは無理をせずLIXILのお客さま相談センターへ問い合わせてください。
ハンドルが固くて動かない、引いた感触がいつもと違う。そんなときは力を込めず、そこで手を止めるのが正解です。
途中で止まるなら上下限位置の設定を疑う
「最後まで閉まらない」「途中で止まってしまう」「ボタンを押し続けないと動かない」。この3つ、じつは同じ原因のことが多いんです。それが上下限位置の設定の解除。
電動シャッターは、どこまで下げてどこで止まるかを記憶して動いています。
この記憶が停電や何らかのきっかけで消えると、シャッターは安全のために止まったり、ボタンを押している間しか動かなくなったりします。
多くの機種はリモコンで設定し直せますが、手順はタイプごとに違います。採風タイプなら、設定の前に羽根(フラップスラット)の開閉操作が必要、といった具合です。
もう1つ見落としがちなのが、メモリ位置操作。好きな高さで止められる便利な機能なのですが、知らずにそのボタンを押していると「途中で止まった」ように見えてしまいます。
さらに、数か月まったく動かしていなかったシャッターは、動きがぎこちなくなることもあるので、覚えておいてください。
◆相川のワンポイントアドバイス
途中で止まる相談で現場に行くと、レールにたまった砂ぼこりで動きが重くなり、障害物を感知する安全機能が働いて止まっていた、ということもあります。設定をやり直してもすぐ再発するなら、レールの汚れや部品の傷みを疑ったほうがいいかも。何度も設定をいじるより、一度点検を入れたほうが結局早く片づくことが多いですよ。
連続運転や電波ノイズ、落雷による停止
何度も続けて開け閉めしていたら、急に止まった。これはモーターの熱を防ぐための保護装置が働いた可能性があります。
故障ではないので、10~15分ほど休ませてから操作してみてください。お子さんが面白がって何往復もさせたあと、なんてケースもありがちです。
リモコンの電波が、ほかの家電に邪魔されることもあります。シャッターの近くで電子レンジを使っている、集中コントローラーのそばにテレビやIH調理器がある。
こうした環境だと、個別には動くのに一括操作だけ効かない、といった症状が出ることがあります。
気をつけたいのは雷のあと。落雷で大きな電流が流れると、内部の基板が傷むことがあります。雷のあとから反応がおかしいなら、あれこれ試すより点検を頼むほうがいいでしょう。
ここまでの原因と対処は、メーカーも公式に案内しています。
レールの汚れや異音、動きの重さ
ガイドレールにほこりや砂、落ち葉がたまると、シャッターの動きが悪くなったり、途中で止まったりします。
レールの内側には音や振動をやわらげる毛(モヘア)がついていて、ここに細かいゴミがからみやすいんですね。
お手入れは、電源を切ったうえでレールのゴミを取り除き、取扱説明書で案内されている範囲でシリコンスプレーを使う程度で十分です。
油っぽい潤滑剤をたっぷり吹くと、かえって砂を呼び込むので気をつけてください。
ただ、掃除しても「ギーッ」「ガガッ」という音が消えない、以前より明らかに動きが遅い。そんな場合は内部の部品が傷んでいるサインかもしれません。
音の種類ごとの見分け方はシャッターの開閉音がうるさいときの原因と直し方で、全体の状態チェックはシャッター故障の原因と見分け方で詳しく書いています。
すぐに使用をやめたい危険なサイン
ここまでは自分で確かめられる話でした。でも、次のような症状が出ているなら、話はまったく別です。
この症状が出たら、操作をやめてください
シャッターが斜めに傾いている、スラット(羽板)がレールから外れている、スラットが曲がっている、急にストンと落ちる動きがある、焦げたようなにおいがする。
こうした状態で動かし続けると、落下や挟まれ、感電につながるおそれがあります。
とくに、シャッターボックスの中のスプリングやモーター、巻き取り軸は、自分で開けたり外したりしてはいけません。
ばねには大きな力がためられていて、プロでも手順を間違えればケガをします。電動シャッターによる事故は実際に起きていて、死亡や重傷に至った事故が28件確認されています。
動いているシャッターの下をくぐらない、操作するときは下に人や物がないか目で見て確かめる。当たり前のことですが、故障しているときほど大事になります。
電池や設定を見直しても直らない、あるいは危険なサインが出ている。そうなったら、早めに職人の目で見てもらうのがいちばんの近道です。
費用がいくらかかるのか、まずは見積もりで確かめてみてはいかがでしょうか。
シャッター修理の依頼先と費用、保証の考え方
自分でできる確認で直らなかったら、次は「どこに頼むか」です。リクシルの電動シャッターなら、メーカーに頼むのが当然と思うかもしれません。
ただ、保証が残っているかどうか、急いでいるかどうかで、向いている依頼先は変わってきます。費用の目安とあわせて見ていきましょう。
LIXILの窓口と専門業者、どこに頼むか
依頼先は大きく分けて3つあります。家を建てた工務店や取り付けた販売店、LIXILの修理受付センター、そしてシャッターを専門に扱う修理業者です。
| 依頼先 | 向いているケース | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 工務店・販売店 | 新築やリフォームから日が浅い、保証書の窓口になっている | 自社で直さず、メーカーや外部へ取り次ぐことが多い |
| LIXIL修理受付センター | 保証期間内、純正部品での修理を確実にしたい | 見積もり後のキャンセルや異常なしでも出張料・技術料がかかる |
| シャッター専門業者 | 保証が切れている、早く来てほしい、費用を比べたい | LIXIL製品の修理経験や、部品の手配ルートを確認する |
メーカー修理の安心感は、やっぱり純正部品と保証の扱いです。その反面、部品の取り寄せで日数がかかることもあります。
専門業者は対応の早さが魅力ですが、LIXIL製品に慣れているかどうかで仕上がりが変わるのも事実。なお、賃貸住宅なら、自分で業者を呼ぶ前に管理会社や大家さんへ連絡するのが先ですよ。
◆相川のワンポイントアドバイス
私自身、メーカーから修理の依頼を受けて現場に行く立場です。なので言えるのですが、メーカー修理でも実際に作業するのは、委託を受けた地元の職人ということがよくあります。大事なのは看板より「その製品を分かっている人が来るか」。保証外なら、メーカーと専門業者の両方に見積もりを取って、金額と来てくれる日を並べてみると迷いにくいかなと思います。
保証期間内かどうかを最初に確かめる
依頼先を決める前に、まず保証書を探してください。保証期間は製品や部位ごとに決まっていて、起点は引き渡し日や購入日です。
期間内なら、工務店・販売店か、LIXILの窓口へ相談するのが基本になります。
ただし、保証期間内でも無料にならないケースがあります。
使っているうちの消耗や経年劣化、サビ、海辺の塩害など周りの環境による不具合、正規の施工によらない加工が原因のものは、有料修理の扱いになるのが一般的です。
リクシルオーナーズクラブの長期保証に入っているなら
有料の長期保証サービスに加入している場合、電動シャッターは引き渡し後1年以内なら、電動機構部の点検調整が1回無料になるサービスがあります。
「途中で止まる」ときの動作設定のリセットなどが対象です。加入の有無は、契約時の書類や会員ページで確かめてみてください。
修理費用の目安と交換を考える時期
修理代は、シャッターの種類や大きさ、どこが壊れているか、部品が手に入るかで大きく変わります。
LIXILが公開している部位別の修理費用は、LIXIL・トステム・新日軽のシャッター修理費用と依頼先にまとめていますので、金額の目安はそちらで確かめてください。
全国共通の決まった料金はなく、最終的な金額は現地を見たうえでの見積もりで決まります。モーターや開閉機、制御基板の交換が必要になると、部品代だけで大きな金額になることも。
設置から10年、15年とたってくると、部品の供給が終わっている機種も出てきます。開閉機だけ交換するか、シャッターごと入れ替えるか。
ここは年数と傷み具合、そしてこの先何年使いたいかで決めるのがいいでしょう。あなたなら、あと何年この家でシャッターを使いますか?
見積もりで必ず確認したいこと
見積もりは金額の合計だけでなく、中身を見てください。確認したいのは、部品代、作業料、出張料、夜間や休日の割増、古い部品の処分費です。
さらに、作業中に別の不具合が見つかったときの追加料金の決め方と、修理後の保証の範囲まで聞いておくと安心できます。
依頼するときは、ラベルの商品名や型番、症状が出たタイミング(停電のあと、雷のあとなど)、シャッター全体と気になる部分の写真を用意しておくと話が早いですよ。
写真があれば、必要な部品の見当がつき、何度も来てもらう手間が減ることもあります。
◆相川のワンポイントアドバイス
「今日契約すれば安くします」と急がせる業者には、ちょっと身構えたほうがいいかも。まともな職人なら、何が壊れていて、なぜその修理が必要なのかを、その場で説明できるはずです。説明に納得できなければ、一度持ち帰って比べる。それで気を悪くする業者なら、頼まなくて正解ですよ。
メーカーの窓口とあわせて、専門業者の見積もりも手元にあると、費用と対応の早さを比べやすくなります。出張や見積もりが無料のサービスなら、気軽に相談できるはずです。
リクシル電動シャッターに関するよくある質問(FAQ)
リクシルの電動シャッターが途中で止まるのは故障ですか?
故障とは限りません。上下限位置の設定が消えている、メモリ位置操作のボタンを押している、連続運転で保護装置が働いている、といった理由でも止まります。設定をやり直しても繰り返すなら、レールの汚れや部品の傷みが考えられるので、点検を頼んでください。
停電中にリクシルの電動シャッターを開けることはできますか?
停電時開閉機構がついている機種なら、手動に切り替えて開け閉めできます。ただし、電気が戻ったら必ず電動に戻す操作をしてください。戻し忘れると、停電が終わっても動かないままになります。
リモコンのボタンを長押ししないと動かないのはなぜですか?
上下限位置の設定がされていないか、何らかの理由で解除されている可能性が高いです。取扱説明書の手順でリモコンから設定し直すと、ワンタッチで動くようになることがあります。長押ししても動かない場合は、電池や電源まわりも確認しましょう。
メーカー以外の業者にリクシル製シャッターの修理を頼んでも大丈夫ですか?
保証が切れているなら、LIXIL製品の修理経験がある専門業者に頼むのも一つの方法です。純正部品を手配できるか、修理後の保証があるかを事前に聞いておくと安心です。保証期間内の場合は、先に保証書の窓口へ相談したほうが費用を抑えやすいですよ。
修理を待つ間、閉まらないシャッターはどうすればいいですか?
傾きやレール外れがなければ、窓や雨戸の鍵をしっかりかけて様子を見ましょう。傾いている、落ちてきそうな動きがあるなら、シャッターの下に物を置いたり人が近づいたりしないようにし、無理に閉めようとせず修理を急いでください。
動かないときは無理せずシャッター修理を相談
リクシルの電動シャッターが動かないとき、まず見てほしいポイントを振り返っておきます。
- リモコンの電池、ロック機能、スイッチでの動作を確認する
- 停電のあとは、ブレーカーと電動への戻し操作を確かめる
- 途中で止まるなら、上下限位置の設定やメモリ位置操作を見直す
- 傾き、レール外れ、急な落下、焦げ臭さがあれば使用をやめる
- 保証期間内なら保証書の窓口へ、保証外なら専門業者の見積もりも比べる
電池や設定のように、あなたが安全に確かめられる範囲で直ればそれがいちばん。でも、そこで直らないなら、分解や力まかせの操作はせず、職人に任せてください。
直そうとしたことで、かえって修理が大きくなってしまうのは、本当にもったいないですから。
保証や純正部品が気になるならメーカーの窓口、早さや費用を比べたいなら専門業者。両方の話を聞いてから決めても遅くはありません。
あなたの家のシャッターが、また毎日気持ちよく開け閉めできるようになることを願っています。
執筆者:相川





