こんにちは、シャッター修理ガイドの相川です。
シャッターの仕事を始めて、かれこれ30年ほど。今はメーカーの修理業務を請け負う一人親方として、戸建てのガレージを中心にあちこち回っています。
修理で伺ったお宅で、ご近所の方から「うちのガレージにもシャッターって後から付けられるの?」と声をかけられることがよくあります。
ネットで調べると本体価格は出てくるのに、実際いくらかかるのかが分かりにくい。そんなモヤモヤを抱えている方、多いんですよ。
実は、後付けの総額を左右するのは本体の値段より「その家の条件」です。同じ幅のシャッターでも、壁の下地や上の空間、電源の有無で金額がガラッと変わります。
この記事では、後付けの費用の目安から、設置できるかどうかを決める工事条件、見積もりの比べ方まで、現場で見てきたことをそのままお話しします。
- ガレージシャッター後付けの費用相場と内訳
- 巻き上げ式とオーバースライダー式、外付けと内付けの違い
- 後付けできるかを決める工事条件と施工の流れ
- 見積もりで比べるべきポイントと既存シャッターの修理判断
後付けの費用相場と、シャッター修理との違い
まずはお金の話からいきましょう。後付けの費用の目安と、その内訳、総額が上下する理由をお伝えします。あわせて、シャッターの種類や取り付け方の違いも見ていきます。
修理とは違って「ゼロから付ける工事」なので、見るべきところも少し変わってくるんですよ。
ガレージシャッター後付けの費用相場
車1台分のガレージに後付けする場合、私の感覚も含めた一般的な目安は次のとおりです。
| 種類 | 費用の目安(本体+標準工事) | 特徴 |
|---|---|---|
| 手動の巻き上げ式 | 15万〜40万円程度 | 構造がシンプルで、費用を抑えやすい |
| 電動の巻き上げ式 | 30万〜60万円程度 | スイッチやリモコンで開閉でき、毎日の負担が少ない |
| オーバースライダー式(電動) | 60万円程度〜 | 天井に沿って収まるので静かで見た目もすっきり |
| 2台用などの幅広タイプ | 上記より大きく上がる | 重さが増すため、部材や工事の手間も増える |
※金額はあくまで一般的な目安です。全国共通の決まった価格はなく、実際の金額は現地調査のうえでの見積もりで決まります。
ここで気をつけてほしいのが、この表は「条件がそろっている場合」の話だという点です。
後で詳しく触れますが、下地の補強や電気工事、今ある扉の撤去が加わると、見積もりの総額は本体価格の1.5倍前後になることも珍しくありません。
ネットで見つけた本体価格をそのまま予算にしてしまうと、見積もりを見て「えっ」となりがち。あなたも、最初にイメージしていた金額より少し余裕を持っておくと安心かなと思います。
自宅の場合いくらになりそうか、まずは一度見てもらうのが早いかもしれません。
費用の内訳と総額が変わる理由
見積書を開くと、だいたい次のような項目が並んでいます。シャッター本体の代金、取り付けの工事費、下地の補強費、電気工事費、既存の扉や設備の撤去・処分費、それに出張費や諸経費です。
このうち、家ごとに差が出やすいのが補強と電気、そして撤去の3つ。
例えば、シャッターのレールやボックスを固定する壁がしっかりしていれば、補強はほとんど要りません。
ところが、固定したい場所に柱や鉄骨がない、壁の材料がビスの効きにくいものだった、となると、下地を新しく作る工事が必要になります。
電気も同じです。電動タイプを選んでも、近くに電源があれば配線は短くて済みます。
電源がなければ分電盤から引いてくる工事になり、目安として1万〜5万円程度が上乗せされることが多いですね。
撤去は、今ある古い扉や跳ね上げ門扉、照明器具などを外す作業です。何をどこまで外すかで費用が変わるので、見積もりのときに「どこまでが工事に入っているか」を必ず聞いておきましょう。
巻き上げ式とオーバースライダー式の違い
住宅のガレージに後付けするシャッターは、大きく2種類あります。
1つは巻き上げ式。開口部の上にボックスを付け、その中の巻取りシャフトにスラット(羽根板)をくるくる巻き取っていく仕組みです。
構造がシンプルなので費用を抑えやすく、手動・電動のどちらも選べます。
もう1つがオーバースライダー式。パネル状の扉が天井に沿ってスライドして収まるタイプです。巻き取らないので開閉音が静かで、見た目もすっきりしています。
ただ、天井いっぱいにレールと扉が広がるため、天井に照明や配管があると移設が必要になることも。価格も巻き上げ式より高めです。
迷ったときの選び方
費用を抑えたい、天井の高さに余裕がない、という場合は巻き上げ式が向いています。
静かさや見た目を重視していて、天井に十分な高さと奥行きがあるならオーバースライダー式も候補になりますよ。
外付けと内付け、取り付け方法の選び方
巻き上げ式の場合、取り付け方も2通りあります。
外付けは、開口部の外側の壁にボックスとレールを取り付ける方法です。開口部の中の高さを削らずに済むので、車の出し入れに影響が出にくいのがいいところ。
その一方で、ボックスが外から見えるので、外観との相性は気になるかもしれません。
内付けは、開口部の内側にボックスとレールを収める方法です。外から見たときにすっきりしますが、ボックスのぶん開口部の有効な高さが下がります。
車高の高い車だと、開けても屋根やアンテナが当たる、なんてことにもなりかねません。
どちらを選ぶかは、見た目の好みだけでなく、開口部の高さ、車の高さ、上の空間の広さで決まってきます。
現地調査のときに、今乗っている車と、これから乗り換える予定の車の高さも伝えておくと話が早いですよ。
後付けできるかの工事条件と、シャッター修理の視点
ここからは「そもそも自宅に付けられるのか」という話です。後付けの可否を決める工事条件、施工の流れ、見積もりの比べ方をお伝えします。
すでに古いシャッターがあるお宅向けに、交換か修理かの考え方も最後に触れておきますね。
後付けできるかを決める5つの工事条件
現場調査で私が必ず見るのは、次の5つです。
1つ目は開口部の寸法
幅と高さを測ります。既製品に合う寸法なら費用を抑えやすく、特殊な寸法だと別注になって価格が上がります。
開口部が完全な四角になっていない、つまり左右で高さが違うようなケースも、意外とあるんです。
2つ目は下地
レールとボックスをしっかり固定できる柱や梁があるかどうか。ここが頼りないと、開け閉めのたびに揺れたり、レールがゆがんだりします。鉄骨の枠にサビが回っている場合も要注意です。
3つ目は巻取りスペース
巻き上げ式なら、開口部の上にボックスを収める空間が必要です。目安として30〜40cmほどの余裕がほしいところ。
梁やエアコンの配管、照明が当たる場合は、移設や取り付け方の変更が必要になります。
4つ目は電源
電動タイプを考えているなら、ボックスの近くに電源を用意できるかどうか。壁の中を通す配線や、固定式のコンセントを増やす工事は、電気工事士の資格がないとできません。
シャッター業者が電気工事まで一緒に手配してくれるか、確認しておきたいですね。
5つ目は既存設備の撤去範囲
今ある扉、門扉、照明、センサーライトなど、シャッターの邪魔になるものをどこまで外すか。撤去が多いほど費用も工期も延びます。
カーポートを囲いたい場合
屋根と柱だけのカーポートに外付けでシャッターを付けて囲うと、建物としての扱いが変わることがあります。
地域のルールや、カーポートの強度がシャッターの重さや風の力に耐えられるかも関わってくるので、見積もりの段階で施工する会社に必ず伝えておきましょう。
◆相川のワンポイントアドバイス
現場でいちばん多い「想定外」は、上の空間の不足なんですよ。図面では大丈夫そうでも、実際は照明や配管が通っていてボックスが入らない、ということがよくあります。
ガレージの天井や開口部の上を、スマホで何枚か撮っておいてください。問い合わせのときにそれを見せるだけで、話がぐっと具体的になります。
施工方法と工事の流れ、工期の目安
後付け工事は、問い合わせ、現地調査、見積もり、契約、工事、引き渡しという流れで進むのが一般的です。
メーカーの公式な案内でも、現地調査と商品提案を経て見積もりを出し、合意のうえで契約、取り付けという順番が示されています。
出典:文化シヤッター公式オンラインショップ『ガレージシャッター』
工事当日は、既存設備の撤去から始まり、下地の補強、ボックスの取り付け、左右のレールの固定、スラットの取り付け、バネの力の調整、そして電動なら配線と動作確認、という順番で進みます。
工期は、条件がそろっていれば1日、補強や電気工事が入ると2日以上かかることもあります。工事中は車の出し入れができない時間があるので、日程の打ち合わせのときに相談しておくといいでしょう。
なお、スラットを巻き取るバネには大きな力がたまっています。
取り付けやバネの調整を自分で行うのは、落下や挟まれ事故につながるので避けてください。後付けは、最初から最後まで専門の業者に任せる工事です。
見積もりで比較すべきポイント
何社かに見積もりを頼むなら、まず条件をそろえることが大事です。
手動か電動か、巻き上げ式かオーバースライダー式か、外付けか内付けか。ここがバラバラだと、金額だけ比べても意味がありません。
そのうえで、内訳を見比べます。本体代、工事費、補強費、電気工事費、撤去・処分費、出張費。
さらに、追加料金がかかる条件と、工事後の保証の範囲も確認してください。「一式」とだけ書かれた見積もりは、何が含まれているのか必ず聞いておきましょう。
電動を選ぶ場合は、安全装置の有無も比べるポイントです。
消費者庁の資料では、電動シャッターの動作中に起きた死亡・重傷事故が28件確認されており、障害物に当たると止まる装置や、急な落下を防ぐ装置の設置がすすめられています。
これから新しく付けるなら、最初から安全装置付きで考えておくのがおすすめです。
安さだけで決めないで
極端に安い見積もりは、補強や電気工事が入っていなかったり、あとから追加料金が発生したりすることがあります。金額の差がどこから来ているのか、内訳で確かめてから決めましょう。
条件をそろえた見積もりを取るなら、現地を見てもらうのがいちばん確実です。
既存シャッターは交換か修理か
すでにガレージにシャッターが付いていて、「古くなったから新しいのを付け直そうか」と考えている方もいるかもしれません。
その場合は、交換だけでなく修理という選択肢も並べて考えてみてください。
一般的な目安で言うと、軽い調整や清掃なら5千〜1万5千円程度、レール外れの復旧なら1万〜3万円程度、スプリング交換でも4万〜10万円程度で済むことがあります。
一方、全交換になると手動で13万円以上、電動では25万〜40万円程度になる例が多いです。
ただ、枠やシャフトにサビが広がっている、スラットの変形があちこちにある、という状態なら、部分的に直しても別の場所がすぐに傷みます。
そういうときは交換のほうが結果的に安くつくことも。今のシャッターがどんな状態か気になる方は、シャッター故障の原因と見分け方|自分でできる状態チェックで確かめてみてください。
◆相川のワンポイントアドバイス
「交換したい」と呼ばれて伺ったのに、バネの調整だけで見違えるほど軽くなった、というお宅も少なくありません。逆に、修理で粘りすぎて毎年のように直している方もいます。どちらが得かは、あと何年そのガレージを使うかでも変わってくるんですよ。あなたなら、この先10年をどう過ごしたいですか。
ガレージシャッター後付けに関するよくある質問(FAQ)
どんなガレージにもシャッターを後付けできますか?
すべてのガレージに付けられるわけではありません。開口部の上にボックスを収める空間がない、レールを固定する下地がない、といった場合は、補強や取り付け方の変更が必要になります。条件によっては費用が大きく上がることもあるので、現地調査で可否と総額を確かめてから決めるのが安心ですよ。
手動と電動、後付けするならどちらがいいですか?
費用を抑えたいなら手動、毎日の開け閉めを楽にしたいなら電動がおすすめです。車の出し入れが多い方や、力に自信がない方は電動のほうが満足しやすいかなと思います。電動の場合は電源工事が加わることと、安全装置付きのものを選ぶことを忘れないでください。
後付け工事は何日くらいかかりますか?
条件がそろっていれば1日で終わることが多いです。下地の補強や電気工事、既存設備の撤去が入る場合は2日以上かかることもあります。工事中は車を出し入れできない時間があるので、日程は余裕を持って決めておきましょう。
ガレージシャッターをDIYで取り付けることはできますか?
おすすめしません。シャッターは重いうえ、スラットを巻き取るバネに大きな力がたまっていて、扱いを誤ると落下や挟まれ事故につながります。下地への固定や電気配線も専門的な作業です。後付けは、最初から専門の業者に任せてください。
見積もりを取るときに準備しておくことはありますか?
ガレージの正面全体、開口部の上、天井の写真があると話が早く進みます。手動か電動か、巻き上げ式かオーバースライダー式かといった希望もあらかじめ決めておくと、複数社の見積もりを同じ条件で比べやすくなりますよ。賃貸住宅の場合は、先に管理会社や大家さんへ相談してください。
シャッター修理のプロが教える後付け判断のコツ
ガレージシャッターの後付けは、本体の値段だけで決めると後悔しやすい工事です。最後に、この記事のポイントを振り返っておきますね。
- 後付けの費用は一般的な目安で手動15万〜40万円程度、電動30万〜60万円程度
- 補強、電気工事、撤去が加わると総額は本体価格より大きく上がることがある
- 巻き上げ式は費用を抑えやすく、オーバースライダー式は静かで見た目がすっきり
- 外付けか内付けかは、開口部の高さや車の高さ、上の空間で決まる
- 開口寸法、下地、巻取りスペース、電源、撤去範囲の5つが後付けの可否を決める
- 見積もりは手動・電動などの条件をそろえ、内訳と保証まで比べる
- 既存シャッターがあるなら、交換だけでなく修理も含めて考える
ガレージは、大切な車を毎日守ってくれる場所です。だからこそ、希望の条件をはっきりさせて現地を見てもらい、工事の中身まで比べて納得したうえで決めてください。
そうすれば、長く安心して使えるシャッターにきっと出会えますよ。
執筆者:相川




