シャッターの塗装は自分でできる?費用・塗料の選び方と注意点を解説

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ローラーでシャッターを塗装する作業と費用・塗料の選び方を解説する画像

こんにちは、シャッター修理ガイドの相川です。

色あせた車庫のシャッターをきれいにしたい。でも、ペンキを塗って開かなくなったら困る。塗装を考えるときは、見た目と開閉の両方を気にかけてください。

私はシャッター修理に約30年携わり、現在も一人親方としてメーカーの修理業務に従事しています。

塗装を検討する際にも、まず確認したいのは、板やレールに傷みがないか、普段どおりに動くかという点です。

シャッターの塗装は、適切な材料と施工でサビの発生を抑え、見た目を整えるために役立ちます。一方、厚塗りやつなぎ目への塗料の入り込みは、開閉の妨げになることがあります。

DIYを考えるなら表面の軽い補修までにとどめ、広いサビや開閉不良がある場合は、塗装前の点検から依頼しましょう。

  • 自分で補修できる範囲と業者に頼みたい状態
  • スラットとシャッターボックスの塗装の違い
  • 塗料の選び方と費用を比較するポイント
  • 塗装後の開閉不良を防ぐ注意点
執筆者 
相川

シャッター修理職人/一人親方。約30年、シャッター修理ひとすじ。現在もメーカーのシャッター修理の現場に立ち、メーカー指定の社内研修・資格を保有しています。当サイトでは、記事の修理方法・費用・安全面を現場の実務にもとづいて確認し、執筆。専門用語をできるだけ避け、読んだ方が後悔しない判断ができる情報をお届けします。

シャッター修理の前に考える塗装とDIY

塗装で対応できるのは、主に表面の保護や外観の改善です。曲がった板や腐食した部品まで直るわけではありません。最初に、塗装だけでよい状態かを見ていきましょう。

塗装で直ることと直らないこと

スチール製シャッターでは、塗装が金属表面を保護する役割を担います。塗装が傷み、金属が露出した部分は、サビへの対応を考えるきっかけです。ただし、サビの上を隠すように塗れば済むとは限りません。

塗装は、へこみ、板のずれ、レール外れ、バネやモーターの故障を直す工事ではありません。開閉が重いシャッターを塗り替えても、原因が機械部分にあれば改善しないんです。

板に穴が開いている、端が欠けている、つなぎ目が崩れている場合は、塗装より部品の補修や交換を先に検討します。サビを落としたあとの金属の状態まで見て、残せるかを確認してもらいましょう。

サビ止めと仕上げ塗装は別の役割

日本シヤッター・ドア協会と日本塗料工業会は、サビ止め塗装だけで納められた製品について、上塗りを施すよう案内しています。これは下塗り用のサビ止めについての注意です。サビ止めを兼ねる仕上げ用塗料もあるため、使う製品の仕様を区別してください。

出典:日本シヤッター・ドア協会・日本塗料工業会「シャッター・ドア製品における上塗り塗装 実施のお願い」(2024年1月発行、2026年10月7日確認)

DIYは表面の軽い補修まで

自分で検討できるのは、製品側が補修を認めていて、安全に手が届く場所の小さな塗装はがれなどです。

自分で補修できる前提

  • 正常に開閉する
  • 板やレールに変形がない
  • 塗る場所と、適合する補修材料が分かる

取扱説明書に利用者向けの補修方法がない場合や、素材・既存の塗料が分からない場合は、メーカーへ補修の可否と材料を確認してください。

市販塗料にシャッター用と書いてあっても、すべての製品へ使えるという意味ではありません。

軽い表面補修の範囲を超える作業

  • 板を外す、ボックスを開ける、レールを広げる
  • 上部まで塗るために、不安定な足場へ上がる

全面塗装では、作業中に動かない状態を保てるか、乾燥中に出入りを止められるかも問題になります。休日に一度塗れば終わる、と考えず、使えない時間まで含めて判断しましょう。

スラットとボックスは分けて考える

同じ「シャッター塗装」でも、動くスラットと上部のケースでは、作業上の注意が違います。

部位 どんな部品か 塗るときの注意
スラット シャッターを構成する細長い羽根板。開閉すると板同士のつなぎ目が動き、左右の端がレールに沿って移動する 巻き上げ式では、この動きを妨げないこと
シャッターボックス 上部の巻取り部分などを覆うケース 素材や表面の仕上げを確認する。点検用の継ぎ目や排水・通気に関わる部分を塗料でふさいでよいとは限らない。ケースを外さずに施工できるかも確認

外壁塗装の見積もりにボックス塗装が入っていても、スラットまで含むとは限りません。

見積もりには、スラットの外側・内側、ボックス、枠のどこを塗るかを書いてもらいましょう。対象が違えば、費用は比べられません。

広いサビや電動式は点検から

広範囲のサビ、板の欠け、レールの変形がある場合は、表面だけ塗る前に点検を依頼します。腐食が進んでいる部品を塗装で覆っても、失われた金属の厚みが戻るわけではありません。

ガレージシャッター開口部の鉄骨枠と上部の金属部材に広範囲のサビが見られる状態

開口部の枠と上部の金属部材にサビが広がった状態。塗装前に、腐食の程度と部品を引き続き使えるかの確認が必要です。

電動シャッターは、配線やスイッチ、安全装置などへの塗料の付着にも注意が必要です。

電動だから一切塗れないということではありませんが、利用者が全面塗装を行う前提にはせず、製品に合う施工方法と点検を相談してください。

途中で止まる、異音が出る、以前より遅いといった症状がある場合は、塗装とは別に原因を調べてもらいます。賃貸住宅やテナントでは、工事を手配する前に管理会社や所有者へ連絡しましょう。

◆相川のワンポイントアドバイス

せっかく塗り替えるなら、きれいな状態で長く使いたいものです。だから私は、サビを塗って隠す前に、傷んだ部品を残して大丈夫か確認することをおすすめします。塗装したあとでスラットの交換が必要になると、その部分は塗り直しになってしまいます。見積もりのときに、塗装で済む部分と交換が必要な部分を聞いておきましょう。

広いサビや開閉の不調がある場合は、まず修理が必要か確認しましょう。

※見積もりを依頼する際は、塗装にも対応しているか、点検と塗装をまとめて相談できるかを問い合わせてください。
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シャッター修理と塗装の費用・塗料選び

DIYと業者施工を比べるなら、材料代と工事費を分けて考えます。安い塗料を見つけることより、素材に合うか、必要な下地処理まで含めて施工できるかを確認しましょう。

おすすめ塗料は素材から選ぶ

塗料選びでは、最初にスラットやボックスの素材を確認します。鉄用の塗料を、アルミやステンレスにも同じ条件で使えるとは限りません。対象素材と塗る場所が、製品の用途に含まれているかを見てください。

次に確認するのが、既存の塗装との相性と下塗りの必要性です。古い塗装が浮いている状態で重ねたり、相性の合わない塗料を使ったりすると、仕上がりや密着に問題が出るおそれがあります。

水性か油性かだけで、おすすめを決めることはできません。におい、換気、用具の洗浄方法に加え、対応する素材、既存塗装、乾燥条件まで合わせて選びます。水性でも、注意事項に沿った換気や保護が必要です。

家庭用製品の例として、アサヒペンの油性高耐久鉄部用は、用途に鉄製シャッターを含むサビ止め兼用塗料です。ただし、はがれた塗装や取れかかったサビの処理は必要で、サビた部分を何もせず覆うための製品ではありません。

塗料を購入する前の確認

素材、既存塗装との相性、必要な下塗り、標準の使用量と塗り回数を確認してください。製品名だけで決めず、シャッター側の補修条件に合うものを選びましょう。

DIYの費用は塗料代だけではない

材料価格の一例として、アサヒペン公式ショップでは、油性高耐久鉄部用1.6Lが税込9,350円で掲載されています。2026年10月7日に確認した販売価格で、送料や塗装用具は含みません。

出典:アサヒペン公式ショップ「油性高耐久鉄部用1.6L」(2026年10月7日確認)

これは材料の価格例で、あなたのシャッターに必要な容量やDIYの総額ではありません。小さな補修に大容量の缶を買う必要があるとは限らず、全面塗装では別の下塗り材などが必要になる場合もあります。

塗料代のほかにかかるもの

  • 刷毛、ローラー、研磨用品
  • 養生テープ、床を覆うシート、手袋
  • 油性塗料なら、用具の洗浄に使う材料

持っている道具を使えるかで、購入額は変わります。

必要な容量は、塗る範囲と製品の標準塗り面積から考えます。裏側や枠まで塗るのか、製品が何回塗りを指定しているのかを決めずに、シャッターの幅と高さだけで買う量を決めないようにしましょう。

業者の費用は施工範囲で比べる

業者に頼む費用は、面積、サビの程度、下地処理、使用塗料、塗る部位、足場の有無によって変わります。

本記事で確認した一次資料だけでは、業者施工の全国共通の相場は確認できません。条件の違う金額を一律の目安として当てはめないでください。

見積もりでは、塗料代だけでなく、下地処理、養生、塗装作業、足場、清掃、出張などの費用を確認します。

外壁と同時に塗る場合は、足場費が外壁側に含まれているか、シャッターだけ追加する費用はいくらかも聞きましょう。

比較する項目 確認する内容 差が出る理由
塗る範囲 スラットの片面・両面、ボックス、枠 対象面積と作業の手間が変わる
下地処理 サビ・浮いた塗装への対応 傷みの程度で必要な作業が異なる
塗料と施工仕様 製品名、下塗り、使用量、塗り回数 材料と施工条件が異なる
点検・修理 開閉確認、交換部品、調整 塗装費とは別の費用になる場合がある

工事内容が同じかを確かめてから、総額を比べてください。塗装だけの見積もりと、レール修理まで含む見積もりでは、安いほうを選ぶだけでは判断できません。詳細は、シャッター修理の見積もりで確認すべき項目も参考になります。

厚塗りと乾燥不足を避ける

巻き上げ式では、スラットのつなぎ目に塗料がたまると、板同士の動きを妨げるおそれがあります。左右の端やレール内に塗料が付くことも、開閉への影響を考えたい点です。

厚く塗れば長持ちする、と考えるのは避けましょう。一方で、極端に薄く塗ればよいわけでもありません。塗料が指定する使用量と施工方法を守り、可動部に余分な塗料を残さない対応が必要です。

乾燥時間にも注意してください。表面に触れてべたつかなくなった時点と、シャッターを巻き上げてよい時点は同じとは限りません。塗料の乾燥条件と製品の構造を踏まえ、業者には使用を再開できる時期を確認します。

雨が予想される日や結露する環境では、施工予定の変更が必要になる場合があります。乾燥を急いで開閉を繰り返したり、手で板を離そうとしたりしないでください。

塗装後に重くなったら、無理に動かさない

引っ掛かりや異音が出たときは操作を止め、施工した業者へ連絡しましょう。つなぎ目に刃物を入れる、レールを削る、モーターで押し切るといった対応は控えます。

塗装と点検を頼める依頼先

シャッターの状態によって、相談先が変わります。

シャッターの状態 相談先 聞いておきたいこと
開閉は正常で、外観を塗り替えたい シャッター塗装に対応する塗装業者 スラット塗装の経験、塗らない部位への養生、施工後の開閉確認
開閉不良や深い腐食がある メーカーの修理窓口、シャッター専門業者 塗装にも対応できるか(修理業者が必ず塗装もするとは限らない)、別業者との連携

修理と塗装を別々に頼む場合は、順番と役割を決めておきます。修理前に塗ってから板を交換することになると、塗装した範囲が無駄になる可能性があるためです。

契約前に確認すること

  • 工事中に使えない期間
  • 追加費用が生じる条件
  • 塗装後の不具合への対応(見た目の保証と機械部分の保証が同じとは限らない)

シャッターの塗装に関するよくある質問(FAQ)

サビの上から直接塗れる塗料なら下処理は不要ですか?

不要とは限りません。取れかかったサビや浮いた塗装の処理が必要な製品があります。穴や欠けを塗料で直すこともできません。塗料の説明と金属の状態を確認してください。

スプレーならシャッター全体を簡単に塗れますか?

吹き付けでは、つなぎ目や周囲へ塗料が飛ぶことも考える必要があります。スプレーなら安全・簡単と決めず、製品への適合と養生を確認しましょう。全面塗装は業者への依頼を検討してください。

シャッターボックスだけ塗装できますか?

素材や既存の仕上げが塗装に対応していれば、ボックス外側だけの施工を相談できます。スラット塗装を含む工事とは区別し、塗る範囲と点検用の継ぎ目への対応を確認しましょう。

塗装は何年ごとに必要ですか?

素材、仕上げ、日当たり、雨や潮風などの環境で異なり、一律には決められません。塗装はがれやサビが見えたら状態を確認し、定期的な点検時に塗り替えの要否も相談してください。

電動シャッターを塗るなら電源を切れば十分ですか?

電源を切るだけでは、塗料による固着や部品への付着を防げません。作業中の安全確保、塗らない部分の養生、乾燥後の開閉確認まで必要です。全面塗装は点検とあわせて依頼しましょう。

塗装前にシャッター修理の要否を確認

シャッター塗装は、サビの発生を抑え、見た目を整えるための工事です。曲がったスラットや傷んだ機械部分まで直すことはできません。

DIYは、補修が認められている製品の軽い表面補修までにとどめましょう。広いサビ、電動式の全面塗装、開閉の不調がある場合は、点検から依頼するほうが安心です。

費用は、塗る範囲・下地処理・塗料・必要な修理を確認して比べてください。きれいに塗ることと、毎日支障なく開閉できること。その両方を満たす工事を選びましょう。
塗装で対応できるか、部品の修理や交換が先かを確認してもらいましょう。

※無料見積もりを依頼する際は、塗装への対応可否と、現地調査・出張などに費用がかかる条件も問い合わせてください。
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執筆者:相川