こんにちは、シャッター修理ガイドの相川です。シャッター修理の仕事を30年ほど続けてきて、つくづく思うのは「シャッターは音でものを言う」ということ。
修理の依頼を受けて伺うと、多くのお宅で「そういえば、少し前から音が変わっていた」という話が出てきます。
早朝や夜にガレージを開けるたび、ガラガラと響く音。ご近所に聞こえていないか気になって、つい開け閉めをためらってしまう。そんな声もよく聞きます。
ただ、音の中には掃除だけで静かになるものもあれば、部品がすり減ったり曲がったりしている合図のものもあります。
この記事では、音の種類から原因を見分ける方法、自分でできる対策、そして修理を頼むべき異音まで、現場で聞いてきた音をもとにお話ししますね。
- ガレージシャッターの異音の種類と考えられる原因
- 掃除で静かになる音と修理が必要な音の見分け方
- 自分でできる音対策と部品交換による防音対策
- 点検を頼むべき異音と修理費用の目安
ガレージシャッターの音の原因とシャッター修理の目安
まずは、ガレージシャッターから聞こえる音の種類と、その原因を見ていきましょう。
同じ「うるさい」でも、ギーギーなのか、ジャリジャリなのか、ガタガタなのかで、疑うべき場所が変わってきます。掃除で済む音と、修理を考えたほうがいい音の分かれ目もお伝えしますね。
異音の種類でわかる原因の見分け方
シャッターの音は、お医者さんでいう「症状」のようなもの。どんな音が、どのタイミングで鳴るのかを聞くだけで、原因の見当がかなりつきます。
現場で私が耳を澄ませているポイントを、表にしてみました。
| 聞こえる音 | 考えられる原因 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| ジャリジャリ、ザラザラ | レール内の砂や小石、落ち葉などの異物 | 掃除で改善しやすい |
| キーキー、ギーギー | レールとスラットのこすれ、軸受けやバネのサビ | 掃除で改善しなければ点検 |
| ガタガタ、ガラガラ(以前より大きい) | スラットのずれ、レールの曲がり、部品のゆるみ | 点検を依頼 |
| カンッ、ガンッという金属音 | スプリングや軸まわりの摩耗、部品の破損 | 使用を控えて点検を依頼 |
| 閉まるときのバタン、ドスン | バネの力の低下、下端のゴムの劣化 | 点検を依頼 |
| 電動のウーン、ゴー | 開閉機(モーター)や軸の負担、部品の摩耗 | 点検を依頼 |
もう1つ大事なのが、その音が「前からあった音」か「最近出てきた音」かという点です。手動のガレージシャッターは、もともとある程度ガラガラと音がするもの。
でも、以前はなかった金属音やガタつきが急に出てきたなら、それは中で何かが変わったサインかもしれません。
砂や異物の擦れ音は清掃で改善しやすい
いちばん多くて、いちばん手軽に直せるのが、レールにたまった砂や異物による擦れ音です。
ガレージシャッターは車が出入りする場所にあるので、タイヤが運んできた砂や小石、風で飛んできた落ち葉、虫の死がいなどが、左右のガイドレールや床のレールにどんどんたまります。
スラットがその上を通るたびに、ジャリジャリ、ザラザラと音が出るわけですね。
この手の音は、掃除をするだけでピタッと静かになることも少なくありません。開け閉めのたびにジャリジャリいうなら、まずはレールをのぞいてみてください。
「えっ、こんなにたまってたの?」と驚く方、けっこう多いんですよ。
掃除のやり方は、この記事の後半で詳しくお伝えします。
金属音やガタつきは摩耗と変形のサイン
一方で、掃除をしても消えない音は要注意です。
特に、キーキーという甲高い音、カンッという金属音、ガタガタとした揺れを伴う音は、部品のすり減りや変形が原因になっていることがよくあります。
スプリングや軸受けのサビと摩耗
シャッターの上の箱(シャッターボックス)の中には、巻取りシャフトとスプリング、それを支える軸受けがあります。
ここにサビが出たり、長年の使用ですり減ったりすると、回るたびにキーキー、ギーギーと鳴るようになります。
キーキー音を自分で静かにする手順は、シャッターの音がキーキーうるさい|近所迷惑になる前に自分で直せる?で詳しく書いています。
スラットのずれやレールの曲がり
車をぶつけた、強風であおられた、下に物を置いたまま閉めてしまった。こんなことがあると、スラットが横にずれたり、レールが曲がったりします。
すると、動くたびにスラットの端がレールに当たって、ガタガタ、ガリガリと音が出るようになるんです。
電動タイプの開閉機
電動シャッターの場合、モーターのうなるような音がいつもより大きい、動き出しにガクンと音がする、といった変化にも気をつけてください。
開閉機やチェーン、軸に負担がかかっているサインかもしれません。こうした音を放っておくと、すり減りや変形がどんどん進みます。
最初は音だけだったのに、そのうち引っかかって止まる、傾く、レールから外れる、という流れは、現場で本当によく見かけるパターンです。
すぐに使うのをやめたい音
バキッ、バチンという大きな音がしたあとに急に重くなった、シャッターが傾いた、急に下がってきた、焦げたようなにおいがする。こんなときは、それ以上動かさずに使うのをやめてください。
音の原因がどこにあるのか、はっきりさせたいときは、一度現地で聞いてもらうのが早いですよ。
風でガタガタ鳴るときに考えること
開け閉めしていないのに、風の強い日にガタガタ、バタバタ鳴る。これも相談の多い音です。
シャッターのスラットとレールの間には、動きやすくするための少しのすき間があります。風がシャッターを押したり引いたりすると、このすき間の中でスラットが揺れて音が出るんです。
ある程度は仕組み上しかたない部分もありますね。
ただ、以前より明らかに音が大きくなったなら、レールの中にある毛のような部品(モヘア)がすり減っていたり、スラットの端の部品が傷んでいたりすることがあります。
台風のあとから急にうるさくなった場合は、スラットやレールが変形している可能性も。
閉めたときに鍵をきちんとかけるだけでも、揺れが抑えられて静かになることがあります。試してみる価値はありますよ。
防音対策とシャッター修理を頼む判断のコツ
ここからは、音を小さくするためにあなたが自分でできることと、部品の交換などでできる防音対策の話です。
やってはいけない対処法や、点検を頼むべき異音、修理費用の目安もあわせてお伝えしていきます。
自分でできる音対策とやってはいけないこと
まず試してほしいのが、レールの掃除です。
シャッターを開けた状態で、左右のガイドレールと床のレールの砂やゴミを、ほうきやブラシ、掃除機で取り除きます。奥の角は、使い古しの歯ブラシが便利ですよ。
汚れを落としたら、仕上げにシリコンスプレーを薄く吹き付けて、何度か開け閉めしてなじませます。
メーカーも、窓用の手動シャッターが重いときのお手入れとして、ガイドレールやその中の毛の部分のゴミを掃除したうえで市販のシリコンスプレーを使い、それ以外は使わないよう案内しています。
擦れ音もこれと同じ考え方で抑えられることが多いです。
開け閉めのしかたを見直すのも、立派な音対策。手動なら取っ手の真ん中寄りを持ってまっすぐ上げ、閉めるときは最後まで手を添えてゆっくり下ろしてください。
勢いよく下ろすと、バタンという大きな音が出るうえ、スラットやバネも傷めてしまいます。
音を消すための大量注油はやめましょう
キーキー音を止めたくて、一般的な潤滑油をレールやボックスにたっぷり吹き付ける方がいます。
一時的に静かになっても、ベタつく油が砂やホコリを集めて、しばらくすると余計にうるさく、重くなることがあります。
音の原因を隠してしまい、傷みに気づくのが遅れるのも困りものです。
それから、音の出どころを確かめたくてシャッターボックスを開けたり、バネを調整したりするのは絶対にやめてください。
バネには大きな力がたまっていて、落下や挟まれ事故につながります。
◆相川のワンポイントアドバイス
「油を差したら静かになったのに、半年でまたうるさくなった」と呼ばれることがよくあります。レールを見ると、油と砂がまざって黒い泥のようになっているんですよ。こうなると掃除のほうが大変です。シリコンスプレーは、表面がうっすら濡れるくらいで十分。音が気になったら、まずは掃除から始めてみてくださいね。
修理や部品交換でできる防音対策
掃除だけでは静かにならない場合でも、部品を替えることで音がぐっと小さくなることがあります。
例えば、レールの中のモヘアがすり減っているなら、新しいものに替えるとスラットの揺れやこすれが減ります。
閉まるときの「ドスン」が気になるなら、シャッターの下端に付いているゴムの交換が効くことも。
スラットがずれている、へこんでいる場合は、その部分だけを直したり替えたりして、レールに当たる音を抑えます。
キーキー音の原因がバネや軸受けなら、調整や交換で音が消えることが多いですね。ただ、この部分はボックスの中の作業になるので、修理業者に任せてください。
シャッター全体が古くなっていて、あちこちから音がするなら、交換も選択肢に入ってきます。
最近の電動タイプの中には、開け閉めの静かさを売りにしている製品もあり、手動シャッターと比べて静かに開閉できるため夜間や早朝でも気兼ねしにくいとメーカーが紹介しているものもあります。
出典:LIXILニュースリリース『ガレージ向け軽量電動シャッター「ガレージシャッター」新発売』
シャッターで生活音を防ぐのは難しい
「防音」と聞くと、ガレージの外の音を遮ってくれるイメージを持つ方もいるかもしれません。
ですが、ガレージシャッターはもともと音を遮るための設備ではないので、車の音や外の騒音をしっかり防ぐのは難しいです。
シャッターの防音対策は、「開け閉めの音をどれだけ小さくするか」と考えておくといいかなと思います。
点検を頼むべき異音と修理費用の目安
次のような音が出ているなら、掃除で様子を見るより、点検を頼んだほうが安心です。
掃除をしても消えない音、以前はなかった金属音、ガタつきや引っかかりを伴う音、片側だけから聞こえる音、そして閉まるときのドスンという強い音。どれも、中の部品が傷んでいる可能性があります。
あなたのシャッターの音は、どれに近いでしょうか。スマホで開け閉めの様子を動画に撮っておくと、修理を頼むときに音の状態を伝えやすくなりますよ。
修理費用は、シャッターの種類や大きさ、原因の場所、部品の手に入りやすさで変わります。
あくまで一般的な目安ですが、次のような金額になることが多いです。
| 修理内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 清掃・軽い調整 | 5,000〜15,000円程度 |
| レール外れ・巻き込みの復旧 | 10,000〜30,000円程度 |
| スプリング交換 | 40,000〜100,000円程度 |
| 手動シャッターの全交換 | 130,000円程度〜 |
| 電動シャッターの全交換 | 250,000〜400,000円程度 |
全国共通の決まった料金はなく、最終的な金額は現地で見てからの見積もりで決まります。
見積もりでは、部品代、作業料、出張料、夜間料金、処分費、追加料金がかかる条件、修理後の保証の範囲まで確かめておきましょう。
賃貸住宅やテナントの場合は、まず管理会社や大家さんへ連絡してくださいね。
メーカーに頼むか専門業者に頼むかで迷っている方は、三和シャッター修理の評判・料金相場と依頼前の注意点も参考になると思います。
音以外の症状もあわせて気になるなら、シャッター故障の原因と見分け方|自分でできる状態チェックで今の状態を確かめてみてください。
◆相川のワンポイントアドバイス
異音で呼ばれて伺うと、清掃と調整だけで静かになるお宅も多いんですよ。逆に、「音だけだから」と何年も放っておいて、最後はスプリング交換やスラット交換になってしまった方もいます。音が気になりはじめたときに一度見てもらうのが、結局いちばん安く済むことが多いかなと思います。
掃除をしても音が消えない、前はなかった音が出てきた。そんなときは、故障が広がる前に一度点検を頼んでみてください。
ガレージシャッターの音に関するよくある質問(FAQ)
ガレージシャッターがキーキー鳴るのは故障ですか?
必ずしも故障とは限りません。レールの汚れによるこすれなら、掃除とシリコンスプレーで静かになることがあります。ただ、掃除をしても消えない場合は、軸受けやバネのサビ、すり減りが原因のこともあるので、点検を頼んだほうが安心ですよ。
シャッターの音を小さくするのに潤滑油を使ってもいいですか?
ベタつく一般的な潤滑油はおすすめしません。砂やホコリを集めて、かえってうるさくなったり重くなったりすることがあります。レールを掃除したあとに、シリコンスプレーを薄く吹き付けるくらいにしておきましょう。
早朝や夜にシャッターを開けるとき、音を抑える方法はありますか?
手動なら、取っ手の真ん中寄りを持ってまっすぐゆっくり上げ、閉めるときも最後まで手を添えて下ろすだけで、音はずいぶん変わります。レールの掃除もあわせて行ってみてください。それでも気になる場合は、モヘアや下端のゴムの交換、静かな電動タイプへの交換といった方法もありますよ。
風の日にシャッターがガタガタうるさいのは直せますか?
閉めたときに鍵をきちんとかけるだけで、揺れが抑えられて静かになることがあります。以前より音が大きくなったなら、レールの中のモヘアやスラットの端の部品がすり減っているかもしれません。部品の交換で改善することが多いので、気になるなら点検を頼んでみてください。
異音がしても開け閉めできるなら、そのまま使っていても大丈夫ですか?
砂の擦れ音程度なら、掃除で様子を見てもかまいません。ですが、以前はなかった金属音やガタつき、引っかかりを伴う音が出ているなら、使い続けるのはおすすめしません。すり減りや変形が進むと、修理の範囲が広がって費用も大きくなりがちです。
異音はシャッター修理のサイン、早めの点検を
ガレージシャッターの音には、掃除で静かになるものと、修理が必要なものがあります。最後に、この記事のポイントを振り返っておきましょう。
- 音の種類と、前からある音か最近出てきた音かで原因の見当がつく
- ジャリジャリという擦れ音は、レールの砂や異物が原因で掃除で改善しやすい
- キーキー、カンッという金属音やガタつきは、すり減りや変形のサインになりやすい
- 自分でできるのはレールの掃除とシリコンスプレー、ゆっくりした開け閉めまで
- 音を消すための大量注油や、ボックスを開けての作業はしない
- モヘアや下端のゴム、スラットの交換、静かな電動タイプへの交換も防音対策になる
- 掃除をしても音が続くなら、故障が広がる前に点検を頼む
毎日耳にする音だからこそ、少しの変化は聞き流してしまいがちです。「あれ、こんな音してたっけ?」と感じたら、それはシャッターからの小さな合図。早めに原因をはっきりさせて、気持ちよく開け閉めできるガレージを取り戻してくださいね。
執筆者:相川



