こんにちは、シャッター修理ガイドの相川です。
賃貸住宅の窓シャッターが動かない。借りている店舗のシャッターが閉まらず、帰ることができない。このようなとき、自分で修理業者を呼んでよいのか、費用は誰が払うのか迷いますね。
賃貸物件では、最初に管理会社や貸主へ連絡し、承諾を得る前に修理業者を手配しないのが基本です。故障の原因や契約内容によって、手配方法と費用負担が変わるためです。
私はシャッター修理業務に約30年携わり、現在も一人親方としてメーカーの修理業務に従事しています。
この記事では、賃貸住宅と賃貸店舗でシャッターが壊れたときの連絡先、写真の残し方、緊急時の対応、修理費用を確認する手順までお伝えします。
- 故障時に最初に連絡する相手
- 管理会社へ伝える症状と必要な写真
- 貸主と借主の費用負担を考える基準
- 承諾後に見積もりを取る手順
賃貸のシャッター修理で最初にすること
賃貸物件のシャッターは、借主だけで判断して修理すると、費用を精算できないことがあります。まず安全を確保し、故障の状態を記録してから、契約上の連絡先へ報告しましょう。
まず管理会社や貸主へ連絡する
管理会社が入っている物件では、契約書や入居時の案内に記載された窓口へ連絡します。自主管理の物件なら貸主へ、商業施設内の店舗なら施設管理者や防災センターへ連絡してください。
賃貸店舗では、本部、建物の管理会社、貸主など複数の窓口が関わる場合があります。どこへ連絡するか分からなければ、賃貸借契約書の修繕、設備、緊急連絡先に関する項目を確認しましょう。
管理側から指定業者へ連絡する契約もあります。借主が先に別の業者を呼ぶと、指定外工事として費用を負担してもらえない可能性があるため、急いでいても連絡の順番が大切です。
最初の連絡で伝える内容
物件名と部屋・店舗番号、故障した場所、手動・電動の別、現在の停止位置、異音や傾きの有無、生活や営業への影響を伝えます。賃貸店舗では開店・閉店時間も添えてください。
異常があれば操作と通行を止める
シャッターが傾いている、レールから外れている、急に下がった、焦げ臭いといった場合は、操作を中止します。動くか試すために、スイッチを何度も押したり、人の力で持ち上げたりしないでください。
停止中でも、シャッターの下へ入るのは危険です。家族、従業員、来店客が近づかないようにし、別の出入口がある場合は、そちらへ誘導しましょう。
店舗では、事情を知らないスタッフが操作しないよう、スイッチ付近へ使用中止の表示を出します。
文化シヤッターは、いつもと異なる動きや異音を感じた場合、使用を中止し、シャッターの下を人や車が通行しないよう案内しています。
また、利用者による修理や分解を行わないよう注意を促しています。
出典:文化シヤッター「シャッターのお取り扱いについて」(確認日:2026年9月20日)
車や荷物でシャッターを支えないでください
閉まりかけたシャッターの下へ車、棚、木材などを置いて支えると、落下や物損につながるおそれがあります。人や物を離し、管理側と修理業者の指示を待ちましょう。
写真と発生状況を記録する
連絡前後に、シャッター全体、故障箇所、左右のレール、操作スイッチを安全な位置から撮影します。
メーカー名や型番を確認できるラベルが手の届く場所にあれば、そちらも残しておくと修理の相談が進みやすくなります。

撮影時刻とあわせて、いつ、誰が、どのような操作をしたときに故障したかも記録します。車や台車をぶつけた場合は、隠さず正確に伝えてください。
経年劣化なのか、借主側の行為による損傷なのかを判断する材料になります。
ただし、写真を撮るためにシャッターの下へ入ったり、高所のカバーを開けたりする必要はありません。
安全に見える範囲で十分です。監視カメラに故障時の映像が残っている場合は、上書きされる前に保存しておきましょう。
勝手な応急処置も避ける
営業時間や外出予定が迫っていると、とりあえず動く状態へ戻したくなります。
しかし、レールを工具で広げる、曲がった部材をたたく、スプリングを巻き直すといった作業は避けてください。
借主が手を加えると、本来の故障原因が分かりにくくなることがあります。さらに損傷が広がれば、費用負担を話し合う際にも状況が複雑になりかねません。
自分で確認できるのは、障害物や施錠、電動式ならリモコン電池や停電の有無など、取扱説明書に記載された範囲までです。
焦げ臭さ、急降下、脱線がある場合は、電気や内部部品へ触れないでください。

緊急時も連絡記録を残す
シャッターが閉まらず防犯上の問題がある、開かず室内から出られないなど、緊急性が高い場合も、まず管理会社や貸主へ電話します。
電話がつながらなければ、留守番電話、メール、問い合わせフォームなど、連絡した時刻と内容が残る方法も使いましょう。
賃貸住宅で人が閉じ込められ、ほかに避難経路がない場合や、火災・負傷の危険が迫っている場合は、通常の修理手配とは別に緊急通報が必要です。
一方、シャッターが閉まらず防犯面が心配という場合は、警備会社や管理側と、その夜の管理方法を相談します。
やむを得ず借主側で業者へ相談する場合も、訪問を頼む前に、管理会社からの返答をどこまで待ったか、応急対応に限るのか、費用の上限はあるのかを確認してください。
事後報告だけで費用を請求できるとは限りません。
◆相川のワンポイントアドバイス
電話がつながらないときは、発信履歴だけでなく、故障状況と希望する対応をメールでも送っておくとよいですよ。
誰へ、いつ、何を伝えたかが残るため、その後の手配を説明しやすくなります。
賃貸のシャッター修理費用と依頼手順
修理費用を誰が負担するかは、貸主か借主かだけで一律に決まりません。契約内容、故障原因、設備の所有者、管理側への連絡状況を確認し、承諾を得てから見積もりへ進みます。
費用負担は原因と契約で変わる
民法第606条では、貸主は賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする義務を負うとされる一方、借主側の責任によって修繕が必要になった場合は例外とされています。
つまり、通常使用中の経年劣化と、車両の衝突などによる損傷では、費用負担の考え方が変わります。
ただし、実際の対応は賃貸借契約の特約や設備区分も関係します。とくに賃貸店舗は、住宅とは異なる修繕条項が設けられている場合があるため、住宅向けの考え方をそのまま当てはめないでください。
国土交通省の原状回復ガイドラインでは、民間賃貸住宅について、通常使用による損耗などの修繕費用は賃料に含まれるという考え方が示されています。
一方、借主の故意・過失や通常使用を超える使い方による損傷は、借主負担となる考え方です。
出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(確認日:2026年9月20日)。同ガイドラインは民間賃貸住宅を想定しており、賃貸店舗の費用負担を直接決めるものではありません。
| 故障の状況 | 確認する相手 | 費用判断の主な材料 |
|---|---|---|
| 通常使用中に動かなくなった | 管理会社・貸主 | 経年劣化、設備区分、契約の修繕条項 |
| 借主や従業員が衝突させた | 管理会社・貸主・保険窓口 | 事故原因、損傷範囲、保険契約 |
| 台風や飛来物で破損した | 管理会社・貸主 | 被害状況、建物の保険、契約内容 |
| 借主が設置したシャッター | 貸主・施工店 | 所有者、工事承諾書、製品保証 |
| 共用部分のシャッター | 管理会社・施設管理者 | 管理区分、指定業者、防火設備の有無 |
この表は負担者を確定するものではありません。まず原因と契約内容を確認し、誰の名義で見積もりを取り、誰が発注するのかを書面で決めましょう。
借主が修理できる場合も限定的
民法第607条の2では、借主が貸主へ修繕の必要を知らせ、貸主が相当な期間内に必要な修繕をしない場合や、急迫の事情がある場合に、借主が修繕できる旨が定められています。
ただし、どれだけ待てば相当な期間なのか、今回の状況が急迫に当たるか、費用をどこまで請求できるかは、個別事情によって変わります。
この条文があるから、連絡せず自由に業者を呼べるという意味ではありません。
連絡した日時、管理側の返答、故障写真、見積書、作業報告書、領収書を残してください。
賃貸店舗では、営業損失や防犯上の事情があっても、修理費と別の損害まで当然に認められるとは限りません。まず早期復旧と証拠の保存を分けて進めることが大切です。
承諾を得てから見積もりを取る
管理会社や貸主から、借主側で見積もりを取るよう指示されたら、依頼可能な業者、見積もりの宛名、予算の上限、着工前の再承認が必要かを確認します。
見積もり取得の承諾と、工事発注の承諾は別の場合があります。
業者へは賃貸物件であることを伝え、見積書へ故障原因、修理箇所、部品名、作業内容を記載してもらいましょう。管理側が修理か交換かを判断する材料になります。
夜間の応急対応が必要な場合は、応急処置と本修理を分けて見積もってもらいます。その夜に安全を確保できても、原因となる部品の交換は後日になるかもしれません。
応急処置後に使用してよいかも確認してください。
管理側から自分で見積もりを取るよう指示された場合は、賃貸物件であることと、承認前には工事を始められないことを業者へ伝えて相談しましょう。
見積書で確認する項目
見積書は合計額だけでなく、修理する範囲を確認します。一式とだけ書かれている場合は、交換する部品、調整する場所、廃材処分の有無を聞いてください。
| 確認項目 | 管理側と共有する内容 |
|---|---|
| 故障原因 | 経年劣化、衝突、異物、電気系統などの診断 |
| 修理内容 | 部品名、数量、調整範囲、交換が必要な理由 |
| 支払総額 | 出張料、作業料、部品代、処分費、消費税 |
| 追加料金 | 追加作業が必要になった場合の承認方法 |
| 作業予定 | 部品の納期、施工日、作業時間、使用制限 |
| 保証 | 保証期間、対象部品、再訪問時の費用 |
店舗の場合は、作業時間中に営業できるか、入口や通路を閉鎖する必要があるかも確認します。営業時間外の工事では、時間外料金、鍵の受け渡し、施設への入館手続きが必要になる場合があります。
事故による破損は保険も確認する
車、台車、フォークリフトなどをぶつけた場合は、管理会社や貸主への報告とあわせて、加入している保険の窓口へ連絡します。
賃貸住宅なら借家人賠償責任、店舗なら施設や事業向けの賠償保険などが関係する可能性があります。
ただし、保険が使えるかは契約内容と事故原因で変わります。修理を始める前に、写真、見積書、事故状況の報告など、必要な書類を確認してください。
交換した部品の保管を求められる場合もあります。
原因が台風や飛来物でも、借主側の保険とは限りません。建物の所有者が加入する保険で対応する可能性もあるため、自己判断で保険会社へ修理費を請求する前に、管理側と連絡先をそろえましょう。
修理後は管理側と動作を確認する
作業後は、交換した部品、修理した場所、残っている劣化、今後の使用方法について説明を受けます。
開閉確認は業者が安全を確保して行い、借主はシャッターの下へ入らず、離れた場所から確認してください。
管理会社や貸主が立ち会わない場合は、作業報告書と完了写真を送ります。誰が費用を支払うか、借主が立て替えた場合の精算方法と必要書類も確認しましょう。
賃貸店舗では、交代勤務の従業員へ修理内容と使用上の注意を共有します。応急処置だけなら、開閉禁止、使用回数の制限、本修理予定日なども伝えてください。
知らない人が通常どおり操作すると、再び故障する可能性があります。
賃貸のシャッター修理でよくある質問
管理会社へ連絡せず修理業者を呼んでもよいですか?
原則として、先に管理会社や貸主へ連絡してください。指定業者や承認手続きが設けられている場合があります。緊急時も、電話、メールなどで連絡した記録を残しましょう。
経年劣化なら必ず貸主負担ですか?
貸主側の修繕となることが多いと考えられますが、契約の修繕条項や設備区分によって対応が変わります。原因と契約内容を確認する前に、負担者を確定しないようにしてください。
店舗のシャッターが閉まらない場合はどうしますか?
操作を繰り返さず、管理会社、貸主、施設管理者へ連絡します。警備会社を利用している場合は、防犯対応も相談してください。応急対応と本修理の予定・費用を分けて確認しましょう。
借主がぶつけた場合は全額負担ですか?
借主側の負担となる可能性がありますが、損傷範囲、設備の経過年数、契約、保険によって変わります。事故状況を写真で残し、管理側へ報告したうえで見積もりを取ってください。
管理会社から返事がない場合はどうしますか?
電話だけでなく、メールや問い合わせフォームでも連絡し、日時と内容を残します。危険がある場合は立入制限を行ってください。借主側で手配する前に、緊急連絡先や契約書の修繕条項も確認しましょう。
賃貸のシャッター修理は連絡から始める
賃貸住宅や賃貸店舗でシャッターが壊れたら、安全を確保し、写真と発生状況を残したうえで管理会社や貸主へ連絡します。
承諾を得る前に業者を手配せず、故障原因、費用負担、見積もりの名義、発注者を確認してから進めることが大切です。
緊急性が高い場合も、管理側へ連絡した記録を残し、応急処置と本修理を分けて考えましょう。見積書には総額だけでなく、故障原因と作業範囲を記載してもらうと、貸主と借主の双方が判断しやすくなります。
管理会社や貸主から借主側で見積もりを取るよう案内されたら、賃貸物件であることと、承認待ちであることを伝えて相談してください。